2014.11.13 出された瞬間イラッとくる指示3つ更新。

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サンクコスト効果と「もったいない」

経済学や経営学では、既に支払ってしまってもう戻ってこない費用・労力・時間のことを「サンクコスト」(埋没費用)といいます。
例えば大きな施設を建設するために先行して使った開発費であったり、身近なところではある公演を見るために買った払い戻し不可の前売り券の金額であったりします。

理論や便益だけをみて考えれば、このサンクコストについて現在または将来の利益を得るための計算材料にしない方が合理的であるにも関わらず、かなりの割合で意思決定に影響を及ぼすことがわかっています。

損をしたくないと思って損を広げている?
あるプロジェクトを実行するにあたり、途中経過のまずさから完成しても当初ほどの利益が望めないとわかっても、これまでかけてきた努力を考えると引き返すことができない、というだけの理由で継続することになってしまったというケースに、思い当たることはないでしょうか。

このサンクコストのためにやってしまいがちな身近な失敗といえば、恋愛投資だと思います。
恋愛というのは不思議なもので、どう考えても自分に合わないし、将来も幸せになるとも思えないような相手なのに、ズルズルと引きずるように関係だけが続いていってしまうような二人がよく見受けられます。
共依存とかトラウマとか色々な要素はありますが、長いくて不健全な関係には必ずと言っていいほどこの「サンクコスト」が関連しているでしょう。

過去支払ってしまってもう戻ってこないことを「損」だったときっぱり割り切ることができずに、将来本来受けるべきはずの利益を重要と思うことができない状態です。

投資に関してもありがちなのが、過去業績が非常に良かった株など金融商品を勢いのある時期に買い込み、その後業績が下がっていくのがわかっても手放すことができずに原価割れをしたまま持ち続けるということです。

どちらも直接利益に関係のない周囲から見れば不合理なことですが、当の本人にしてみればそこで「損」を切ってしまうことは過去の自分の失敗を認めてしまうことにもなり、言うほど簡単にできることではありません。

話は変わりますが、商売に長けているといわれるユダヤ人は、全般的にこの「損切り」がうまいことが成功の秘訣と言います。
民族でいうなら日本人には昔から「もったいない」思想が良いものとされてきた土壌がありますから、簡単に成功のために過去の損失を切り捨てるというのは難しいことなのかもしれません。

さて仕事という面でこのサンクコストについて考えてみると、実に多くの場面で見かけることができるように思います。
面子にこだわって従来のやり方を変更をすることができなかったり、仕様を変更しすぎて目的としていた動作よりも多くのコストがかかるようになってしまうことがわかっても中止できずに続けていたり、新商品が全く売れないにも関わらず営業戦略を変更することができなかったりする場合です。

不思議なもので人間、例えわずかばかりであっても得をすることよりも損をすることの方に大きな心理的ダメージを受けます。(不意に誰かから10,000円もらえたという場合と、財布からいつの間にか10,000円なくなってしまっていたという場合では、どちらが心に強く長く残るでしょうか?)

そう考えるとサンクコストから抜け出せない人というのは、将来受けるであろう心理的ダメージに対して耐性ができていない人と裏返して見ることもできます。
一見頑固で何があってもやり直しは絶対にしないというタイプの人というのは、自分のせいで損をしたというダメージを無意識に避けようとしている、実はメンタルの弱い人と言えるかもしれません。

もし今職場のことややっている仕事がうまくいかなくて悩むことがあったなら、このサンクコストが自分の中で余計な壁を作っているのではないかを振り返ってみるのもいいかもしれません。
損切りをしたからといって将来いきなり得をするということはなくても、少なくともそれ以上損はしないのだという単純な式でもういちど現状を計算しなおしてみたいところです。

いらないものを「いらない」というのは簡単そうに見えて実はものすごくエネルギーのいることなんですね。

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