2014.11.13 出された瞬間イラッとくる指示3つ更新。

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リスクをとらないことが最大のリスク


「リスクをとらないことがリスク」という言葉を初めて聞いたとき、妙に心にストンと落ちました。
失敗や損を必要以上に怖がると、つい安全な気がする一番当たり障りのない方法をとってしまいます。
安全な気がする方法をとることのメリットは、よくよく考えると単に事後に言い訳がしやすいというだけなのかもしれません。
災害時における大衆心理について
2003年2月18日、韓国の大邱(テグ)市で地下鉄の火災事故がありました。198人以上の死者の出る大事故でした。
中央線路の地下鉄1079号車の車内で男が放火をしたために炎上が起き、列車の乗客は避難を始めました。
その4分後に反対側のホームに1080号が入ってきたところで駅構内が停電となり、真っ暗な中「少しの間お待ちください」という放送が流れました。
1080号には煙が充満してきましたが、乗客たちは放送に従い車両の中で避難行動を起こさずじっと待機をしていました。
結果的にこの事故で亡くなった人の多くはこの待機を続けた1080号の乗客たちでした。

似たような事例で2001年9月11日のニューヨーク世界貿易センターへの同時多発テロの際、64階のオフィスのスタッフが飛行機突入後、避難指示を仰ごうと警察の緊急対策本部に電話をかけました。
すると「じっとしていてください。警官が上がってくるのを待ってください」という回答があったのでそのまま1時間ほど待機を続けました。
やがて煙がひどくなってきたので再度電話をかけ、脱出をしたいと伝えるとそうするようにと指示がありました。
しかし避難の途中でタワーは崩壊し、スタッフのほとんどが亡くなるという痛ましい結果となってしまいました。

この二例に限りませんが、思いがけない災害に直面をしたときに重大な一瞬の判断を誤ってしまうことがよくあります。

なぜ判断を誤ってしまうのかを社会心理学として研究した結果があります。
避難行動に影響を与える要因には以下のものがあるそうです。
(参考文献:「ガイド 社会心理学」 北樹出版)

  • 正常性バイアス・・・危険を認めようとしない信念
  • 同調行動・・・あいまいな状況下では他者の行動に従う
  • エキスパート・エラー・・・災害救助の専門家の判断ミス
  • 家族・・・災害時には家族で行動することが多い
  • 災害経験・・・過去の経験に基づく行動

特に興味深いのが最初の「正常性バイアス」で、おおむねの場合人間は危険を過小評価することが多く、避難勧告や避難指示が出ているにも関わらず危機感を抱かず避難をしない人が多くいます。
私自身も大地震と水害を経験してきましたが、そのとき周囲の様子を考えるとかなりあたっているように思えます。

やっかいなのはこの「正常性バイアス」と「エキスパート・エラー」が組み合わさった場合です。
危機的な状況を過小評価しているところへ訳知りっぽい専門家に適当に安心するようなことを言い出してこられると、変に自分の中で避難しないことを正当化できてしまいます。
過去の事例を見ると、災害時に専門家が必ずしも正しい判断をして情報を流しているかというと、そうではないこともかなり多くあるのです。

リスクの高い状況にあって、もっとも危険が高い選択は現状への思考停止です。
厳しい見方をすると現状を楽観的に考えるあまり、自分の都合のよい情報だけで解釈を終えてしまい、とるべき行動のタイミングを大きく外してしまうことが、最悪の結果を招き入れてしまうわけです。
(事故や災害での被害者を責めているように聞こえましたらすみません。一般論としての話です)。

それはなにも災害時に限らず、仕事上のトラブルのような場合にも同じことが言えます。
不測の事態が起きたと知っても、最初には詳しくも調べようとしないうちから「どうせたいしたことないだろう」と考えてしまいがちです。

私が以前勤めていた会社での出来事ですが、就業時間中に突然火災警報器のベルが鳴りだしました。
少し待ってみたのですが特に何か変化があるわけでもなさそうだったので、そのまま同僚と一緒に仕事を再開しました。
数分して再び警報が鳴り、さすがに何かあったかと上司の一人が様子を探りに部屋を出ていきました。
そのあとも細切れにベルはなっていましたが、上司が戻ってくるまでの数十分の間部屋の中にいた私を含めた10人弱くらいの従業員はまるで何事もなかったかのように仕事をしていたのです。

しばらくして戻ってきた上司にやっぱり警報機の故障と教えられ、ああそうという感じでいたのですが、翌日の朝礼でさらに上司にあたる部長が従業員全員に厳しく注意をしました。
なんでも私のいた課だけでなく社内全体が警報機が鳴ったにも関わらずまったく避難の行動をとろうとしなかったというのです。
その叱責を受けた当時は部長がどうしてそんなことに怒るのかよくわかっていませんでしたが、今思い返してみればそこで問題意識を持てるというのは、なかなかできることではありません。

頭でわかっていても、いざ自分に危機が迫ったとききちんと現状を把握する行動がとれるかどうかは、そうなってみなくてはわからず、できない可能性の方が高いです。

常に最悪の事態を想定するというのも悲観的にすぎますが、せめて今自分のおかれている状況について、冷静に考えていけるよう日々訓練をしていきたいものです。

部長。お元気でしょうか。
私は元気にやっています。

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